願うなんて馬鹿のすることだ。
祈るなんて何の意味もない。
「わたし」もそれを知っていた筈なのに気が付けば心の中は想いで溢れる。
愚かでいい。情けなくてもいい。
それでも「わたし」が在る証明を誰かくれないか。
そんな感情が湧いて尽きないのは、「わたし」に課せられた罰なのだろう。
そうとでも思わなければ「わたし」は生きてなどおれなかった。
馬鹿で、愚かで、情けなくて無力。滑稽すぎて「わたし」は「わたし」のことを嗤った。
嗤うぐらいしか出来ないのだと認めることすら出来ずに、「わたし」はただ嗤った。